パソコンで作曲始めたいと言われて10万円渡されたらあなたはどんな環境を作ってあげますか

この記事は DTM Advent Calendar 2016 8日目の記事だってばっちゃが言ってた

 

 

DTMは金のかかる趣味です。PCを買い、DAWを買い、シンセを買い、オーディオインタフェースを買い、ヘッドフォンを買い、、、さらにそのクオリティを突き詰めようとすればやがて7桁を突破し、、、うん。目が$になってしまうので一旦やめましょう。お茶でも淹れて、銀閣寺の同仁斎の画像をGoogleで検索してください。10秒見つめてください。20秒見つめてください。――いいですか、和みましたか?
 決してDTMのより良い環境を構築したいがために感情的になるようなことはあってはいけません。私たちの感情のリソースを注ぐべきものは音楽そのものであり、物語そのものであり、またリスナーやあなたにとっての「八百万の神」(僕にとってはkzさんであったり、奥華子さんだったり、トクマルシューゴさんだったり)です。まぁ感情的になったって良いんですけど・・・。私達には金がありません。諦めてください。諦めてください。または、渋谷駅に来て@keisei_1092にメンションしてください。僕の環境を3秒だけ使ってもいいですよ。でも環境イコールアウトプットではないことに気づくはずです。諦めてください。私達は勉強を怠りすぎです。私達が勉強するべきは楽典であり、ホンモノの楽器の演奏法やシンセの音作りのノウハウであり、その電子音楽上での抽象化スキームそのものです。菅野よう子さんはなぜプロなのでしょうか?Arte RefactMONACAはなぜあれほどにも存在感を放っているのでしょうか?音楽における暗黙知を極限まで形式化し操作できる人だからです。肥えた彼彼女らの音楽の土壌に燦々と立つ太く強いインスピレーションの樹にみずみずしい果実をつけることができる人だからです。僕は作りたい音楽と環境のギャップで消耗することは極力減らしたい派です。もしそこに共感していただけた折には、この記事はもしかするとあなたのためになるかもしれません。


 # enough to DTM


ハード的な「enough to DTM」と、ソフト的な「enough to DTM」について探っていくエントリです。さっそく行きましょう。
 ハード的に最低限必要になってくるのはパソコンです・・・とか言おうとしたんですが、今はスマフォやタブレットでもDTMしてる人がいることを忘れていました。まぁ、スマフォやタブレットは往々にしてまだまだオモチャに過ぎませんので、一度はずすとして、WindowsののっているPCを買うことを考えましょう。なぜWindowsかというとVSTやVSTiが使えるため、それが使えないmacOSを選ぶ場合に比べて使いたいプラグインが使えるという確率が上がるからです。というかAUだけ提供してるプラグインってなかなか見たことねぇな。僕はこないだ2万円でThinkPad X220を購入できたので、2万円あればハードが手に入るということにしてみましょう。あとの8万円の中から、ハード的な「enough to DTM」を選びます。次はオーディオインタフェースです。やっぱりあるとないとでは出音が全く違ってきます。聴いてもらう人へのある種の「礼儀」であるし「マナー」でもあると思います。サッカーで言ったらスパイク履いてないみたいな感じです。オーディオインタフェースはUR22mkⅡを買うとして、15k(1万5千円)の出費です。次にヘッドフォンですが、ヘッドフォンは問答無用でSONY MDR-CD900STです。これも15kです。これで、ハードで5万円使いました。スピーカーはわかりません。なぜかというと音を出せる環境に往々にして僕が生活してこなかったからです。僕は自分一人の部屋というものを持ったことがないので、ずっとヘッドフォンやイヤホンで作っています。音が出せる環境にいることが決定している人は、ヘッドフォンではなくスピーカーで作った方がストレスフリーでいいかもしれませんね。あ、スピーカーは「モニタースピーカー」っていうタームで調べてみてくださいね。
 次にソフト的な「enough to DTM」を探っていきます。こちらはどうしても求めているアウトプットに依存した分岐が多くファジーな領域であることをお許しください。まずはDAWですが、さきほどのURmkⅡを買ったお陰でCubase AIがすでに手元にあります。とりあえずこれを使うことにして、他のソフト音源をしっかり拡張しましょう。で、何を買うかというと、極力フリー音源で頑張りつつ、フリー音源でどうにかなるという確率事象が往々にして低い雰囲気のあるギター音源を中心に「諦めて」買っていくという戦法を探っていきましょう。まずはシンセです。シンセは挙げればきりがないほどフリー音源が流通しているので、特に何も買わなくて良いかなーな雰囲気です。問題はEDMをはじめとした電子音楽ゴリゴリ系をやりたい場合です。フリーでEDM(またはその他のジャンル)ってなかなか難しいんじゃないでしょうか?どうしてもチープ感や、特にEDMのような派手なジャンルではコレジャナイ感が拭えないと思います。とりあえずSylenth1かSerumかSpireを買っておいた方が良いと思います。Nexus 2は即戦力ですが、シンセの音作り力が上がらないためあまりオススメしません。シンセを買うよりもFL STUDIOを買うのが良いかもしれません。これは電子音楽ではリズム系の素材のクオリティが楽曲のクオリティに(生楽器に比べて)直結しやすいためです。(私達はVDUB2 Snare 04.wavに縛られすぎだと思います)FL STUDIOがあるとリズム素材も一通り揃っており、シンセ、エフェクトも電子音楽に最適なものがたくさん入っていてよろしいかと思います。あとbanvoxさんも使ってるしね!生楽器の場合は、ギター音源がひたすら「フリーで頑張りづらい」領域になります。DVS Guitarのソリッド感は嫌いじゃないんだけどね。ということでRealGuitarに手を出します。RealGuitarとRealStratで4万ぐらいかな?黒金だと3万で買えるかもしれません。ギターストロークの打ち込みとは早い段階でサラバした方が精神衛生的に楽だと思うんだ・・・。ドラムはManda AudioのPowerDrumが最高です。ボカロ曲とか聴いてるとAddictive DrumやBFDがどうしても羨ましくなりますが、PowerDrumで全く問題ありません。パターン集が入っててDAWにD&DでMIDIになって、編集もできるの最初見て驚きましたね。他の楽器は、だいたいCubase AIのHalion Sonicでなんとかなるのではないでしょうか?Halion Sonicのピアノ、良い音ですよね。ボカロ曲が作りたい方はボカロを買ってもいいし、UTAUでも良いと思います。最後にマスタリング系です。Invisible Limiterさえあればとりあえずなんとかなります。ノブを回すだけで好きなだけ音圧が稼げるあの感動をみんなに伝えたい。追々、Waves GoldとかOzone7とかほしくなったタイミングで手を出せば問題ないでしょう。



 # 大切なのは「旋律」「リズム」「ハーモニー」



今日は「enough to DTM」という言葉をトリガーにDTMの環境について考えました。

音楽の三要素というものに、旋律、リズム、ハーモニーというものがあります。では、DTMの三要素とはなんでしょうか?僕はこんな回答でしめたいと思います。「旋律」「リズム」「ハーモニー」です。
 読んでいただきありがとうございました。