20代前半を賭けて己の暗黙知と真っ向勝負する覚悟を決めて本を買いまくってる話

高2の時古典の先生が耳にタコできるほど連呼してた所謂「人生の夏休み」が終わり、大学とかいう社会人工場で新卒とかいうラベルを付与されて会社という組織に出荷されました。←受け身な表現ですいませんが一応それなりに主体性はあったつもりでした。今思えば全然だめでしたけどね。で、出荷されて思ったことは

  • クソなコードしか書けなくて辛い
  • 自分の考える企画に説得力やコンセプトやバックグラウンドがなすぎて辛い(声にすら出せない)
  • デザインやタイポグラフィがわからなすぎて辛い
  • 人のこと気にしすぎてメンタルが辛い

院進せずに学部卒で就職することに決めたのは金がないこと以上に「このままラーメン二郎アブラ少なめニンニク少なめヤサイ食って北千住のタカラ湯のゲルマニウム風呂に20分蕩けて宿場町通りの灯りに黄昏れる生活の繰り返しは何も生まないと確信してしまった」からでした。
 現実を垣間みた時は既に遅く、カレンダーが就活イベントで埋まっていきました。内定してから入社までなんてもっとたるんでいた気がします。マジで大学4年をやり直したいけれど、時間は戻らない。院進カードが残ってるんで学歴コンプも何度か考えたけど実行には至っていません。

 

僕は今を変えるしかありませんでした。でも、いくら焦燥感が募っても、明かりひとつ掴むことさえできませんでした。今まで適当に生きてきた(当社比)からです。好きな音楽を聴いて未来世界を幾らイメージしても、肝心の24時間後の青写真を描くことはできませんでした。ツイッターで尊敬している人のアップデートを見ても24時間、長くて168時間をしのぐ希望しか得られませんでした。今年4~6月は本当に自分がいかに「空虚」な「暗黙知」を生きていたかに気づいていくひたすらにダークな時期でした。

 

 僕はテレビが嫌いでラジオが好きでした。J-WAVEはお気に入りのラジオ局のひとつだったのですが、今は終わった番組でJ-WAVE 深夜のたまり場 THE HANGOUTというのがあり、月曜日のパーソナリティで宇野常寛さんという評論家の方がやっていたのを聴いたんですね。そこで目覚めるような一言を聴いて。

 

「手を動かす厨二病だけがカッコいい」。

 

うおぉこんなナードなパンチラインが放送無線から飛んでくるのかとすごく新鮮な気持ちになると共に即宇野さんに興味を持ちました。幸運にもJ-WAVE 深夜のたまり場 THE HANGOUTはYouTubeの公式アカウントからアーカイブが丸ごとダダ漏れしていました。それを僕は毎日風呂で流し続け、風呂で髪の毛を洗いながら笑いころけたり、無限に頷いたり、兎にも角にも宇野さんの言論を咀嚼し続けました。
 この頃、宇野さんの言論を手に持っておきたいと思うようになりました。小学生の頃あった読書タイムなんて一番嫌いな時間だったし、中学時代に流行った涼宮ハルヒの憂鬱を読破することすらできませんでした。高校時代は電子辞書に青空文庫をブッ込んで授業中にポチポチ遊んでたりはしたけど、記憶に残った小説なんてギリギリ羅生門とか銀河鉄道の夜とかそんなレベルです。そんなチンケが初めてまともに買った本が「これからのカッコよさの話をしよう」であったり「新しい地図の見つけ方」であったり「AKB48白熱論争」でした。詳しくは述べませんが、僕の暗黙的な思考軸が言語化された!というカタルシスを感じた初めての体験でした。AKB48白熱論争は全然理解できなかったけど、人は好きなものをちゃんと好きであるべきだと思えた本でした。
 宇野さんは第二次惑星開発委員会というユニットの中でたくさんの文化人と創作を行っています。その中で僕が知ったのが落合陽一さんでした。落合陽一さんの著書は「魔法の世紀」「これからの世界を作る仲間たちへ」のどっちも読みましたが、これからの世界を~の方がスッと入ってきた感じでした。名言というのは、その人しか実行できなかったからこそ名言たる威厳を放つものです。でも、落合さんの言葉は私的にはバスタードソードであったりチェインメイル的な「装備品」のように感じました。自分のフェチズムの芽を枯らさず育て続けるということであったり、独善的な利他性であったり、天才でなく変態であれ・・・などという「装備できる名言」は自分の思考体力というステータスを上げる武器になりました。これをちゃんと大学4年の時に読んでいたらなぁ・・・。。あと落合陽一さんの東大時代の先生(なのかな?)である暦本純一先生の「天使性、悪魔性」という言葉もすごくスッと落ちてくる視点で、日々の思考体力の源になっていると感じています。

 

コードを書くバックグラウンドのリテラシを構築するために本を買いまくってる

最初は図書館を使いました。
 僕は今渋谷区に住んでいるのですが、渋谷区の図書館はクソでした。それに比べ、周縁の自治体の杉並区や新宿区、世田谷区は技術書の蔵書が豊富で、隣の区の住民がカードを作れたので、大学の図書館なんて行かなくて済みました。その代わりに毎週リュックいっぱいの技術本を積載して、青山のOLYMPICで買った折りたたみチャリで僕は甲州街道やらカンナナやらを爆走する週末を送り続けて疲弊してしまいました。2ヶ月ぐらい頑張ってた気がします。本を読むことよりも、本を予約したり、取りに行ったり返しに行ったりというところが結構大変でした。でもこれだけ無料で技術本が漁れるのは本当に良い世界だと思いました。東京は。(茨城がクソとは言っていない)
 で。図書チキンレースに疲れたので本を買うことにしました。毎月新品を買っていたら財布が3秒でパンクするので、だいたい次のようなルールを決めました。

  • 買う本は基本的に 新卒ソフトウェアエンジニアのための技術書100冊 - クックパッド開発者ブログ を埋めていく形で選択する。他、実務で使っている技術を扱っているものを優先的に探す。
  • 500円以下で中古が出てないか、または5割引より安いのがないか探す。
  • 最新が新版や改訂版の場合、それより古いものが爆安で売っていないか探す。
  • 新しい技術についての本はとりあえず保留。(Go、Dockerなど)
  • どうしてもすぐまとまった知識がほしいものは3割引きぐらいでもすぐ買う。(オブジェクト指向Ruby on Railsらへんは命の危険を感じていたのでさっさと買った)
  • エッセイ的な本もガンガン買っていく。ただし、伽藍とバザールみたいに若干ネットにあったりするやつは後回しにしてる。
  • ブックオフオンラインは総計1500円以上にすると送料が無料になる。

このルールで買っていき、今持っている技術本でここに載っているものは26冊ありました。1ヶ月4〜5冊ずつぐらいでしょうか。これに加えて先述の評論、エッセイ系、そして後述のデザイン、新書系も購入しています。コンプすることに意味があるわけではありませんが、スタンダードな技術本セットを揃えることでいつどの技術について深く入らなければいけなくなっても大丈夫という態勢であったり心の余裕を持つことができる点が技術本の大きな意義と感じました。肝心のオブジェクト指向ですが思考体力が全然追いついておらずちまちま咀嚼している状況です・・・頑張ります。

 

自分の想像にコンセプトを、創造に説得力を

イデア流しそうめんのようにやってくるものですが、それを多角的に分析する思考体力のなさに日々無力さを感じていたため、それを補強するべく本の力にすがりました。
 今アツいのはデザイナーの原研哉さんと深沢直人さんです。お二人ともにムサビであったり多摩美であったりの教授で、japan design committeeのメンバーで、無印良品のデザインを担当されていたりする方々です。最近デザイナーマジパネェ!と思ったのは、 キッチン家電2014 | トークイベント | 無印良品 ←この深沢直人さんの炊飯器のデザインで、炊飯器の上に突起をひとつ据えるだけでそこがしゃもじの置き場になるというデザインです。しかもそれを「無印良品を使ってくれる人とのコミュニケーションをこのデザインを通して行うわけです」ということで、人とものの「調和」の「本気」を垣間見てスゲェ!!!!と心から思いました。ということでおすすめは原研哉さんの「デザインのデザイン」とか「デザインのめざめ」とかどうでしょうか。あとEx-formationとかいうめちゃタイトルがオシャンな本も買おうかなーって思っています。深沢直人さんの本も読まねば。
 このお二人をはじめとする、日本のデザイナーのプロダクトや、言葉や、書籍から、モノやアイデアを見るパースペクティブの構造であったりパターンを勉強しているというところです。

 

メンタル辛い

ブコフの100円コーナーにあるような新書でもなんとかなったよ。あと宇野さんや落合さんの「装備できる言葉」でせいしんりょくもあがったのでそれでなんとかならねぇ方がおかしいわーな感じ。メンタルが辛くなったのは往々にして音楽という麻薬を辞めかけてることによる禁断症状なんだけれど、そこをリアリズムに足踏みかえてみたって感じですかねぇ。政治的なタームはまだまだよくわかってないです。
 ひとつ最近は「自分が根源的にやりてぇ事」と「自分が根源的にやりたくはねぇ事」をリストアップするという作業+イケダハヤトさんがこれでもかというぐらい使ってる「消耗するな」というタームを組み合わせたような気持ちを持ってて、自分がやってて好きと思える事ベスト3に入る作業以外はやることを「諦めちゃう」と結構肩の力が降りて気持ち楽になったりするような気がしてます。肩を抜いて生きれるぐらいの自分で、時の流れと「調和してく」ぐらいのメンタルが一番穏やかだとおもいます。

 

これから

暗黙知をひたすら形式化する作業の中でぱらだいむしふとがおこったりしてもっとおもしろい世界のブループリント描けたらいいなぁ。
 ※Twitterで相互フォローの方など、渋谷にいらした際はぜひうちで本読んだり未来について語りにきてください。インスタントコーヒーと大乱闘スマッシュブラザーズを用意していつでも待っています!一緒に最高の世界作ろうあとプログラミングとか論文とか生き方とかわかんないとこあったら一緒にかんがえるよ